マイボグラフィで角膜観察
マイボグラフィはその名の通りマイボーム腺を観察する検査ですが,病気の角膜の診断にも応用できます。
Peters‘ anomaly imaged with an infrared anterior segment camera.
Morishige N, et al. Clin Experiment Ophthalmol 42(4): 391-2, 2014
Peters奇形は,角膜の内皮や実質が欠損する先天疾患ですが,その病変の部分には虹彩が前癒着するタイプがあることが知られています。先天疾患なので,相手は子供,まともに診察させてくれません。虹彩の前癒着なんか分かるか,と言うところですが,マイボペンで観察すると虹彩形状がよく分かります。
Peters奇形で見られる角膜混濁は角膜実質浮腫です。角膜実質浮腫は,可視光領域の波長の光が角膜実質を通るときに乱反射するためといわれています。マイボペンの光源は赤外光ですので,角膜実質浮腫があっても,角膜実質内で光が乱反射して混濁するというルールがあてはまりません。ですので,虹彩形状がよく観察できます。また,マイボペンがハンディタイプというのも,乳幼児の観察に適している点です。
これらの現象は,マイボペンに限ったことではなく,BG4MやDC4でも観察可能です。いろいろとお試し下さい。