小生の論文をご紹介します
はじめまして、日大眼科の﨑元です。
今回の投稿では、つい先日BJOにpublishされた小生の論文を紹介させて頂きます。
Sakimoto T. Granular corneal dystrophy type 2 is associated with morphological abnormalities of meibomian glands.
Br J Ophthalmol. 2014 Jul 17. doi: 10.1136/bjophthalmol-2014-305039.
小生がLIME研究会に参加させて頂いてから、マイボグラフィでいろんな角膜疾患のマイボーム腺を観察していたなかで、30歳代や50歳代といった比較的若年者の顆粒状角膜ストロフィtype2(GCD2)のマイボーム腺が脱落しているのを偶然見つけました。
そこで、11例と少数ではありますが正常対照とマッチングさせてGCD2のマイボスコアを検討したところ、GCD2では有意にマイボーム腺が脱落しているのが判りました。
当科では、PTKや角膜移植以外に角膜電気分解術を顆粒状角膜ジストロフィ症例に行ってきました。その奏功機序は、通電によって顆粒状角膜ジストロフィの混濁の原因物質のひとつであるリン脂質を分解していると考えられています。そして、マイボーム腺は極性脂質であるリン脂質を分泌しているとも考えられています。したがって、今回の検討でGCD2においてマイボグラフィでマイボーム腺の脱落が認められたことは、マイボーム腺からリン脂質が分泌されていることと何らかの関連があると考えられました。今後も検討を重ねていきたいと思っています。