マイボーム腺とMMP -実は深い関係?-
﨑元です。今回は、ちょっと基礎的な論文をご紹介します。
Loss of CD147 results in impaired epithelial cell differentiation and malformation of the meibomian gland.
Mauris J, Dieckow J, Schob S, Pulli B, Hatton MP, Jeong S, Bauskar A, Gabison E, Nowak R, Argüeso P.
Cell Death Dis. 2015 Apr 16;6:e1726.
この論文は、Schepens Eye Research Instituteを中心とした国際共同研究グループが発表したものです。
内容は、要約しますとマイボーム腺の腺房組織において蛋白分解酵素であるMMP (matrix metalloproteinase)が発現されており、その促進物質であるCD147がマイボーム腺腺房の発生と脂質分泌機能に必須であることを示しているものです。
CD147は、EMMPRIN (extracellular matrix metalloproteinase inducer)とも呼ばれる膜糖蛋白質で、その別名のごとくMMPの促進物質です。癌細胞に発現し近傍の線維芽細胞からのMMP産生を促す作用が有名ですが、そのような物質がマイボーム腺にも重要だなんて意外ですね。