うそつきはマイボーム腺機能がいい?
今回は、全く学術的ではないですが、あたらしい仮説として「うそつきはマイボーム腺機能がいい」という私の妄想についてお書きします。まるで「風が吹けば桶屋がもうかる」みたいな感じですが。まず、今をさかのぼること10年以上前にあの「Nature」におもしろい記事を見ました。それは「うそをつくと、顔面の体温、とくにまぶたの温度が上がる」というものです。
http://www.nature.com/nature/journal/v415/n6867/full/415035a.html
これはメイヨークリニックのグループが20人のボランティアをつかって実験した結果です。それが下記のものです。
***************************************
まず、ボランティアに”犯罪者”になってもらい、マネキンを刺して20ドルを奪ってもらった。犯人が取調べを受けている間、彼らの顔を熱画像カメラで撮影した。すると実際に”罪”を犯したグループはウソをつく時目のまわりが熱くなることが分った。一方何もしていない平静なグループは熱くならないままだった。その的中率は80%以上だったという。この値は脈拍数、呼吸、発汗の変化を測定する現在使われているウソ発見器(ポリグラフ)のそれに匹敵する。
***************************************
10年前にこの記事を見たときに「まじか」と思い、温度に興味を持ち、「目の温度っておもしろいよね」みたいな話をしているうちに、愛媛大学とTOMEYで目の温度を測る機器を開発することになり、実際形になりました。(本当に立ち話が研究につながった一例です)
http://www.ccr.ehime-u.ac.jp/cip/252.shtml?00018-007
この機械でいろいろ研究がされることになりました。
話を元に戻しますが、有田先生の「MGD患者は温度が低い」の論文
http://archopht.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=1678150
にあるように、温度が高いとMGDにはなりにくい。ということは「うそつきはマイボーム腺機能がいい」ってつながらないかなと妄想しています。ただ、Natureのこの記事の追試は全くされていませんので、「うそをつくとまぶたの温度が上がる」こと自体の信頼はまだわかりません。 うそつき100名と正直者100名をあつめて、マイボーム腺を調べると面白いでしょうが、うそつきはきっと「自分は正直者です」とうそをつくので、人を集めるのは大変でしょう。。。