LIME研究会

研究会概要

ご挨拶

LIME研究会代表世話人 有田玲子

みなさん、こんにちは。“マイボーム腺“をご存じですか?

マイボーム腺とは涙のなかのあぶらを分泌している皮脂腺で、このマイボーム腺がきちんと機能しているから涙は蒸発しないですむのです。

眼が疲れる、眼がごろごろする、眼が乾くなどの眼不快感、ドライアイ症状を訴える患者さんが最近急増していますが、その原因の約80%以上が涙のあぶらが足りない、もしくはあぶらの質が悪くなって涙の蒸発が亢進することで、ドライアイになってしまうことがわかりました(Lemp, et al. Cornea, 2012)。
日本国内のドライアイ患者数は800万人から2200万人と報告されていますのでその8割以上(640万人から1800万人)が涙の脂分の異常でドライアイになっているのです。

「ドライアイ」と「マイボーム腺機能不全(Meibomian gland dysfunction, 以下MGD)」とはまた概念の違う疾患ですが、症状だけではその鑑別は難しくなっています。
患者さんの数が多く、一般の眼科外来でよく目にする疾患でありながら、慢性疾患であり経過が長いために診断や治療が困難であることが多いです。
まだまだMGDを含めたマイボーム腺関連疾患は、病態やメカニズムでわらかないことが多いのが現状です。

わたしたちLIME研究会(Lid and Meibomian gland Working Group)は、マイボーム腺関連疾患の啓蒙や客観的な診断法や患者さんがご自宅でできるケアの普及、新しい角度からの病態解明、治療法の開発への挑戦などを目的に2012年2月にメンバー7人で発足しました。

年に4回の定例会議、一年に1回海外から講師を招聘してご講演いただく国際講演会、臨床眼科学会でのインストラクションコース開催、病院スタッフや患者さんの自宅ケアを啓蒙するためのDVD作成、今回のホームページ作成と一歩一歩活動を広げてまいりました。
これもひとえに私どもの研究会の主旨を理解し、応援してくださる方々のおかげと感謝しております。

今後も引き続き講習会や情報交換会、啓蒙活動、そして社会への情報発信に積極的に取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。