ISER Satellite in Wakayama
2016年9月24~25日、ISER Satellite “Pathology of Meibomian Gland at Wakayama 2016”に、LIME研究会の先生方とともに参加させていただきました。ISER(国際眼研究会)は9月25日~29日まで、東京で行われておりますが、その学会のサテライトとして、世界中のマイボーム腺を専門とする先生方が和歌山医大に集まり、マイボーム腺について熱く語りあう、すばらしい会でした。招待講演自体よりも質疑応答の方が長くなることもあるほどでした!
私は、ジクアホソルナトリウム点眼が、正常眼の涙液油層厚に与える効果について発表させていただきました。眼の表面を守っている涙は、水分と油層とムチンから構成されています。ジクアホソルナトリウム点眼液(ジクアス®)は、涙の水分やムチンを増加させる効果があり、ドライアイの目薬として用いられています。これまで、涙の油の分泌を増やす目薬があることは知られていませんでした。今回、健康な眼の方の研究で、ジクアホソルナトリウム点眼液を1回点眼すると、点眼前よりも涙の油の厚みが増えたということをご報告させていただきました。ポスター発表でしたが、当日、主催者である和歌山医大の雑賀教授に「前でちょっとしゃべってください」と急遽お時間をいただくことになり、「!!」とたじろぐ私に、有田先生も「大丈夫だよ」と励ましてくださり、大急ぎでスライドを整えて、short talkという形でも発表させていただきました。初めての英語の口演で緊張しましたが、先生方にご意見をいただき、大変勉強になりました。雑賀先生、有田先生、発表の機会を与えて下さって、どうもありがとうございました。健康な眼の方だけでなく、ドライアイの方でも、ジクアホソルナトリウム点眼により涙の水やムチンだけでなく、油も増える効果がある可能性を期待し、さらに研究を続けたいと思います。