霰粒腫と麦粒腫(いわゆる ものもらい)
霰粒腫は炎症性肉芽腫(マイボーム腺のしこり)、麦粒腫は感染(マイボーム腺、Zeis腺、Mol腺のはれ)ですが臨床的には治療してはじめてどちらだったか確定できるケースもあり、抗炎症療法と抗菌療法で同時に治療していくことも多い疾患です。
保存療法(点眼や内服、温罨法とリッドハイジーン)で十分に改善しない場合、手術療法(マイボーム腺切除術、切開術)を考慮する場合もありますが、切除する前にちょっとだけ立ち止まって考えてみませんか?
特に次のような場合です。
- しこりが多発している場合(多発霰粒腫)
- 頻繁に再発する場合(再発性霰粒腫)
- 患者さんが小学生低学年の場合
- 結婚前の女性の場合
…など。
マイボーム腺は上に約30本、下に20本、あるとはいえ、一度切除してしまえば、再生されない器官です。多発霰粒腫の患者さんの霰粒腫、全部切除して大丈夫でしょうか??
再発を防ぐために大きく切除して大丈夫でしょうか?
将来、重度のドライアイ症状がでませんか?
温罨法とリッドハイジーンで患者さんの満足が得られるところまで改善するケースも多々あるのです。(もちろん、切除したほうがよいケースもあります)
LIME研究会では、現在、霰粒腫を切らないで治しましょう運動を計画しています。
9月ごろをめどに、霰粒腫の切らない治療について、新しいページの作成を準備中です。人間の器官において、1つたりとも、1本たりとも、なくていい器官、切除して支障のない器官はないと思うのです。できればマイボーム腺を切らずに治したいですよ
ね。
”マイボーム腺を守りましょう”
「アイシャンプー通信vol.4」※画像クリックで拡大表示します。