LIME研究会

こんにちは。
LIME研究会「涙のあぶら」プロジェクト
福岡詩麻です。

 

このたび、

2017年11月に行った
長崎県平戸市度島における住民健診
「平戸度島スタディ」の結果第二弾が
Journal of Clinical Medicineにアクセプトされました!

 

みなさまの多大なるご協力とご支援のおかげです。
どうもありがとうございました。

 

第一弾の論文はこちら
>>平戸度島検診の論文第1号がAJOにアクセプトされました

 

 

今回のテーマは、
食事からの脂質・ビタミンDと
マイボーム腺機能不全(MGD)との関係
についてです。

 

Relation of Dietary Fatty Acids and Vitamin D to the Prevalence of Meibomian Gland Dysfunction in Japanese Adults: The Hirado–Takushima Study

Shima Fukuoka, Reiko Arita, Takanori Mizoguchi, Motoko Kawashima, Shizuka Koh, Rika Shirakawa, Takashi Suzuki, Satoshi Sasaki and Naoyuki Morishige

J. Clin. Med. 202110(2), 350; https://doi.org/10.3390/jcm10020350 

論文リンク>>無料ダウンロードはこちらから

 

これまでに、
サプリメントからn-3系脂肪酸(オメガ3)を摂取すると、
MGDの治療に効果があるという研究が複数報告されています。

また、2017年に有田先生らが
活性型ビタミンD3軟膏を眼瞼縁にぬることで、
MGDの自覚症状や所見が改善したという報告もあります。

LIME研究会ブログ>>活性型ビタミンD3軟膏のMGDへの効果

 

 

日本人の食事からの栄養摂取と
MGDとの関係についての研究は、
これまで行われていませんでした。

 

そこで、

東京大学医学部 社会予防疫学の
佐々木敏教授にご協力いただき、

BDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)という
質問票を使用して、

島民の方々が普段の食事から日々摂取している
さまざまな脂肪酸とビタミンDの摂取量を推定しました。

 

その結果、
●総脂質
●飽和脂肪酸
●オレイン酸
●ビタミンD
の食事からの摂取量が多い方では、
MGDの罹患が少ないということがわかりました。

 

今回、
n-3系脂肪酸(オメガ3)や
n-6系脂肪酸(オメガ6)の摂取量についても
多い方と少ない方を比べましたが、
MGDの有無の割合には差がありませんでした。

 

サプリメントと食事は異なるものです。

また、食生活が欧米化しているとはいえ、
日本人は、欧米人より魚を食べる量が多く、
その分多くのn-3系脂肪酸を摂取しています。

そのため、今回の研究では
n-3系脂肪酸やn-6系脂肪酸については
差がでなかった可能性があると考えています。

私達の身体は、
私達が日々食べたものでできています。

でも、食事からの栄養と目の病気との関係は
まだまだわかっていないことだらけです。

 

これからも、
目の病気の予防や改善のお役に立てますよう、
さらに研究を続けていきたいと思っております。