角膜フリクテンのマイボーム腺所見
Hot topicsでも紹介してもらいましたが、このたび、LIME研究会で行った多施設スタディーである「Morphological changes in the meibomian glands of patients with phlyctenular keratitis: A Multicenter Cross-sectional Study」がBMC Ophthalmologyにアクセプトされました。本研究では角膜フリクテン患者(多くは18歳以下の子供~若年者)のマイボーム腺の形態をマイボグラフィーで確認したところ、Age matchedした健常者よりも有意に短縮や欠損などの形態異常が認められました。角膜フリクテンは、マイボーム腺関連の炎症と考えられていましたが、実際にマイボームの形態が崩れていることを報告したのは、この論文が初めてだと思います。また、4~6歳の子供も含まれているのですが、なかなかスリットランプでの観察が難しい場合でも、マイボペンを用いると容易にマイボーム腺の脱落を確認しました。特に子供、若年者の角膜炎を認めた場合、通常の感染性角膜炎か角膜フリクテンかの鑑別が難しい場合があります。そういう場合にマイボーム腺を観察することは診断に有用かもしれません。ただ、マイボーム腺の形態異常が角膜フリクテンに先行して出現しているのか?それとも角膜フリクテンの炎症がマイボーム腺に波及して、形態異常をひきおこしたのか?(鶏が先か、卵が先か)という点は今後も検討しないといけません。